*コメントの下のCGは扉絵用のCGです。一応見えないところもそれなりに描いていたりして。
で、第6戦。
「大和撫子対決」の最後のカード…ですが、戦う前から勝敗は明らかに。(笑)
でも、負けてくれるのって貴重なんですよね。
勝つことなんて誰でもできるけど、負けることはそうではない。
琴子姉さんには感謝の言葉もありません。
しかし、橘さんに「このカブトガニ!」なんて言えるのはアンタだけだよ。
ホンマ、ありがとう、琴子姉さん。(笑)
勝つことは出来ないけど、易々と負けてもいけない。格が違うけど接戦。
そんなことをどのように描いてゆくのか、かなりの試行錯誤の連続でした。
途中もうちょっと接戦になるとか、一度だけ詩織をダウンさせるとか、最後はクロスカウンターで光ちゃんだけ崩れ落ちる…そんな展開の候補もありました。
結局、現在のような筋書きになりましたが、光ちゃんの魅力や人気を彼女の心意気をもって描いてみたつもりではあるんですけどね。
はじめの一歩を読んでいない人には分からない言い方で申し訳ないのですが、要するに「リカルドマルチネスVS伊達英二」なんですよ、自分的には。
結果が出ていない時に掲示板で「ゆっくりコマを見て、台詞を深く読みして下さい。」と言ったことがあります。
実は最初(479)の1コマ目で勝敗の行方は見えてたんですよね。
片方は笑いながら「楽しませて…」、もう一方は真面目な顔をして「全力で行くよ」ですからね。
途中で光ちゃんの決め台詞のような所がいくつかあります。
「そう簡単には負けないよ」「まだ戦える」とか。
その他の台詞もそうですが「勝つ」とは一言も言ってないんですよね。
自分が勝てないことは一番最初から彼女自身が分かってた。
途中、似たような展開で何度も引っ張りましたが、
何度も起き上がる、何度もやられることは絵で、回数で表現するしかない。
解説の主人公に説明的台詞を言わせてしまっては空気がぜんぜん違う。
484あたりでは敗戦色も濃厚に、やられる姿もよりリアルな感じになってきています。
それでも、諦めない心意気。
始めは余裕の表情でいた藤崎君に「てこずってる…」と言わせることができた、
言い換えれば光ちゃんの強さを認めさせたってことでしょうか。
藤崎君にしても、かわいい後輩の心意気を認めつつも、譲らない所は譲れない。
「獅子はうさぎを狩るにも全力を尽くす」と言いますから、
最後は歴然とした差を見せ付けた後、かなり厳しい見た目にもきつい一撃でしとめに来た。
中途半端で終わらせては、どちらに対しても無礼でしょうからね。
最後の一撃から、負けを認める間に1本分あります。
最初はこれはなかったんですけど、光ちゃんに負けを認めさせるのにどうしてもこの”間”が必要でした。
分かってたけど、言わざるをえない台詞。ある意味、これが一番美味しい台詞です。
…でも、どうなんでしょうね。
誰かにこの二人の対戦の展開を考えてもらったら、どっちが勝つのか。
光ちゃんが勝つようにする方も多いでしょうね。その気持ちも分からないではありませんし。
結局のところ、これだけのキャラクターの組み合わせになると、
強い弱いとは違ったレベルの作る人の考えが出てくるんでしょうね。
この二人って同じ”ストーカー”でも行動パターンが違うんですよね。
見晴ちゃんは本人に付きまとい、間違ったふりをして電話(アニメでは藤崎君の家にも間違ったふり電話をします)をする「行動型」。
佐倉さんは、手紙や電話を伴わないプレゼントを贈り、自分からは絶対に電話をしてこないくせにこっちがかけないと悪い噂を流す「隠密工作型」。
今のご時世、どちらもシャレになりませんが同じストーカーでもきちんとタイプを使い分けるあたり心憎いですな。(そんなところに感心するなよ)
今回から見晴ちゃんの髪型の処理が変わりました…って言うか、今までが適当過ぎ。(笑)
あと、コーナーポストと観客は都合のいい時にだけ出てきます。
気にしないようにしましょう。
ゆっこたんもなんとなく動いてくれるようになったかなぁ。
いびられて泣かされる自虐キャラでですが。ご愁傷様です。(合掌)
構想時は15本程度、その後に色々と付け加えられたり変更されたりして最終的には30本以上に。
この戦いだけでもその辺のシリーズより長くなってしまいましたが、
ときメモを代表する二人でしょうから白黒つけるにはこのくらいは必要でしたね。
途中、夏休みシリーズで中断しましたが、そのお陰で後半戦の台詞回しなどを見直すことが出来た半面、
絵柄が微妙に変わってしまいました。
再開した時、もしかしたらまた掲示板に「つまらん」旨の書き込みがあるかと期待心配していたのですが、
残念ながらなかったようです。(笑)
前半戦、使える技を惜しみなく繰り出した藤崎君ではありましたが、自分のペースに持ち込むことはできたものの、
決定的な一撃を与えることが出来ず、虹野さんの大技の前にダウンを取られてしまいました。
この場面だけで言うならば下校の誘いを断るのも命がけです。(笑)
他のキャラならともかく虹野さん相手に生半可な技は通用しませんでしたか。
後半戦。ここからは物理的な攻撃ではなくってメンタルな戦いですね。
言うなれば「意地の張り合い」。
最終奥義「告白」のあたりは他の誰でもない、作っている自分が笑っちゃったところです。
伝説の樹と全ヒロイン集結とともに、藤崎君の告白と主人公が(強引に)語るときメモの思い出…こりゃあもう最終回ですなぁ。(笑)
最終奥義「告白」は虹野さんも使える技ではありましたが、あくまでも最後にすべてを覚悟した者のみが出す技、
同時に作品としての最終イメージではメインヒロインが使うべき技である訳で。(もっと分かり易く説明してくれ(笑))
ガード不能、妨害不能、回避不能の一撃必殺技なんて卑怯なんでしょうけど、
その辺のところは虹野さんもよく理解していたご様子。
告白技の後に虹野さんが「私は約束したのよ!」と叫ぶシーンは、
本当はOVA2のオープニングで号泣する虹野さんっぽくしたくて下を向いたまま叫ばせたかったのですが、
虹野さんって耳の前にたれる髪があってちょうど顔を隠しちゃうんですよね。
結局、顔を上げて叫ぶことになりました。
で、決着シーン。
その位置関係と表情では、いったいどっちが勝ったんだよって感じの場面にすることはイメージしていましたが、
1)少し見下ろすように藤崎君の情けない表情が見えるパターン
2)がっくりうなだれる藤崎君を見下ろす虹野さんの勝ち誇った表情が見えるパターン
の二通りのどちらにするのか決めかねていましたが、勝利者の顔を見えるようにしようということで1に。
結局、いったいどっちが勝ったんだよ的なイメージはあまり強く出ないようにしてしまいましたが。
まだ最終戦の結果が出ていないうちにサブタイトルは「ぷるぷる若妻編」と暴露してしまいましたが、
これで虹野さんが負けると分かってしまった方もいるのでは。
ときメモにおいて、いやギャルゲー界において「お嫁さん」という言葉が
虹野さん以上に似あうキャラなどそうそういないでしょうからね。
藤崎君って「お嫁さん」というイメージってあまりないんですよね。
「お嫁さん」というよりは「恋人」。
その辺のイメージの違いが人気の違いだったりして。
あ、そうそう、「ぷるぷる」はあくまでもひらがなで「プルプル」ではありませんのでご注意を。
格闘をやりたいという考えはずいぶん前にもありました。
しかし、ただ立っているだけの絵でもデッサンが狂っているのに、
様々なポーズを様々な角度から描くなどとても出来ることではなく、お流れになっていました。
今まで描いたこともないようなポーズと角度も多く、
なおかつ似たような構図を出来るだけ避けなければならないということもありました。
下書きを何度も繰り返してなんとか形に出来たときにはちょっと嬉しかったりして。
思いきってこんな攻撃をこんな構図で、なんて下書きを初めたらどうしても見えてしまい(何が)没にした事も。
あんまりミニスカートなのもなんだなぁ…って言うか、制服で戦うなよ。(笑)
でも、今回苦労をした分、描けることの底上げが出来ましたね。
4コマ漫画のほとんどは誰かと誰かをぶつけてネタを作るわけですが、普通はそのための設定、説明、展開が必要でしたが、
格闘の場合はぶつかっていることについての説明は要らなかったので、
オチの部分だけを出せるという意味で楽なところもありました。
これはまったくもって余談ですが、
最終戦によって藤崎君と虹野さんは100回くらいずつ出番があったことになるので、
出番回数のランキングが変わったと思います。(確認はしていない)
アバウトな計算では藤崎君が主人公を追い越して全部キャラ中1位に、
虹野さんは13位から5位になったはずです。
その人気に似あわずに出番低迷を続けていた虹野さんもようやく妥当なランキングになりましたか。
今後の活躍に期待ですな。
まぁ、とにかく。
出番のあったキャラもなかったキャラも長々とお疲れさまッした〜。